佐藤伊左衛門家は廻船業を経営し、大地主として佐渡地域経済の中心的役割を担っていた素封家です。
伊左衛門家は宝永2（1705）年から造酒業を開始し、文化年間（1804～1818）以前に廻船業に進出しました。明治43（1910）年に廻船業を廃業した後は、土地を熱心に購入して佐渡でも随一の大地主になります。
本文書群には、伊左衛門家の事業であった廻船業と貸付業の関連資料が多く残されています。佐渡國小木民俗博物館が本文書群を保管する前の平成13（2001）年に新潟県立文書館が調査を行い、目録を手書きで作成しました。そこで國學院大學博物館学研究室は、佐渡國小木民俗博物館所蔵資料整理事業の一環として、令和3（2021）年4月から令和7年3月31日まで本文書群の整理と調査を改めておこない、『新潟県佐渡市宿根木 佐藤伊左衛門家文書目録』（令和7（2025）年3月31日）として刊行しました。
本文書群の整理と調査にあたり、令和3年度・令和4年度佐渡市域学連携地域づくり応援事業助成金、令和5年度・令和6年度大学と地域が連携した地域づくり応援事業補助金の助成を受けました。また本書の刊行にあたり、令和6年度國學院大學特別推進研究助成金（代表者：内川隆志）の助成を受けました。記して御礼申し上げます。